Zo通信
2022-12-25 00:00:00
1本の線の両端を結ぶと「輪」のかたちが生まれます。輪は連続を繰り返し「無限」という概念をかたちとして見せてくれます。人がいつどのように輪のかたちを発見したか定かではありませんが、太陽や月の光輪や、木の年輪、水紋など、生活の中で身近に見ることができます。同じ場所から同じ場所に戻ることから、古くから「循環」としてもとらえられてきました。季節の巡りや天体の動きから、自然や宇宙の無限いう言葉まで思いを巡らせてくれます。中心に向かって等距離で輪となり人が集うことは、等しさと繋がりを生み、日本では「和」の言葉とも通じて、和みと癒しの場を提供してくれます。時に新しく、時に古典的な意味をもって、造形作品の中でも象徴的に扱われてきました。輪のもつ循環性は、その繰り返しから閉じたかたちとしての閉塞感もあわせ持ちますが、その無限性は決して同じことを繰り返すことではなく、樹木の年輪に見られる様に、外に向かって新しい輪を広げていくことで「成長」の意味をもっています。
(S.I)