Zo通信
2020-01-25 00:00:00
丸や三角、四角という様にかたちを説明する言葉があります。造形の視点でとらえると、のびる、縮む、ねじれる、曲がる、反る、ふくらむ、へこむなどは、かたちの状態を表す言葉です。ずれる、合う、重なる、支えるなどは、関係性を示しています。ふっくらした、まろやかな、どっしりしたなど、個性を表す言葉もあります。滑らか艶やかなどは、手触りや触感を、彫る、削る、うがつ、重ねる、積む、組む、はめるなどは、素材に対しての人の行為を示しています。茶器には、部分を細かく分けてそれぞれ「見どころ」として呼び名をつけ鑑賞に役立てています。かたちを表す言葉は、決して多くはないのですが、他の言葉に置き換えられない程の役割を持っています。言葉は、人に伝えることと同時に、物の状態を観察し定着させていく上でも大きな役割を持っています。また、物事を可視化する上でも大きな手がかりとなります。ゆったり感やたっぷり感という言葉も造形の言語に加えながら「かたち」と向き合っていこうと思います。
(S.I)