Zo通信
2026-05-10 00:00:00
石や木、土や水といった自然の素材の中でも、水は決まった形を持たない。例えば、露の一滴から始まる水は、滴り落ちて一筋の小さな流れとなり、いく筋もの流れは、更に大きくなって川へと姿を変えて行きます。小石や岩の間をわけて進むセセラギからは、心地よい音さえ感じられます。大河は、海運や灌漑として、生活には欠かせない存在になります。池や湖の水面は、周囲を映し込み、静かさをたたえます。水流は時として穏やかに激しくぶつかり合って波や渦となりす。段差を落ちる水は、滝に姿をかえます。この様に私たちが「水」を想像するとき様々な姿を思いおこすことができます。
日本では、水を連想して生れたとされる代表的な紋様に「流水文」があります。銅鐸の表面に美しく描かれています。「観世水」は渦を「菊水」は菊と水を合わせた形でいずれも縁起の良い吉祥文として親しまれてきました。
「水」は、身近にある素材であるにも関わらず、紋様としての数や種類が少ないのは、「かたち」が定まらない素材であり、バリエーションが生まれにくかったかもしれません。
(S.I)
