Zo通信

2022-04-23 00:00:00

 新型コロナ以前から企画していた橋本和幸さんの「智の造形」展を『GUEST展』として開催しています。GUEST展では、本館2Fの多目的ギャラリーに池田政治、池田カオルの小作品を展示しつつ、ゲストとしてお呼びした作家の方の作品を同空間に展示していただくという企画展です。空間全体は、材を極めるという「質」で統一し、橋本さんの「智」という作品群とどちらかと言えば我々の「情」の作品群との可能な限りの融合を目指しました。私が橋本さんを紹介する文章の中で用いた「虚と実」という言葉が今回の展示によって鮮明にされ、身近に印象付けられた気がしています。作家があるイメージを「実」として造形化するとき、他の部分を無意識に削ぎ落としていくことになります。橋本さんの作品は、この削ぎ落としている部分を最初から意識し、視覚化していく姿勢で一貫しています。橋本和幸の虚と実、池田カオルのさりげない日常の中の女性像、池田政治の解き放たれた時間、三者がひとつに融合した空間として観ていただければ幸いです。日常では見えにくいものを視覚化する役割が造形にはあります。

 

(S.I)